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家具
2016/08/22

THE CHAIRと名付けられたPP503チェア

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ウェグナーはPP501(籐張り)を1949年に、PP503(革張り)をその翌年にデザインしました。当初ウェグナーは「ラウンドチェア」と呼んでいました。

 

PP503は1950年、コペンハーゲンで行われた「DEN PERMANENTE」という展示会で、当時ウェグナーの作品を数多く製作していた家具メーカーのヨハネスハンセン社から発表されました。展示会用に4脚製作され、ダイニングセットとしてディスプレイされていましたが、当時としてはあまりにシンプルだったため、アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」のようだといわれ、その4脚すら売れませんでした。

しかし一人のアメリカ人が、誰もが見向きもかったこの椅子に注目していたようです。フェア終了後、アメリカからコントラクト用に300台もの注文が入ったのです。しかし当時この椅子は1つ1つが職人による手作りだったため、とてもその大量の依頼を受けられず、残念ながら断ることになってしまいました。

 

その10年後、1960年アメリカ大統領選の際、ジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンが腰掛け、テレビ討論会を行ったことにより世界的に注目を集めることとなります。自身が最も美しく見え、また当時腰に悩みがあったケネディが、背中がとても楽にサポートされ、その快適な座り心地に感心し、「これぞ椅子の中の椅子、特別な椅子」という意味から「The chair!」と呼んだのです。そしてこの歴史的な討論会を機に、ザ・チェアという愛称で呼ばれるようになりました。

 

ザ・チェアは当初、背もたれのジョイント部分が現在とは違い直角だったため、あまり美しいとされず、籐を巻いて隠していました。しかし後に、その形状がフィンガージョイントに改良され、美しいデザインとして再認識されました。
現在ではザ・チェアの特徴的なデザインのひとつとなっています。